1.委員会活動の目的

本委員会は、昭和48年(1973)、各種抵抗溶接技術に関する情報発信と技術交流の場と
して、故佐藤次彦先生(元大阪工業大学学長)を委員長に発足した抵抗溶接研究委員会
を母体とし、昭和63年に軽構造接合加工研究委員会に名称変更し、現在に至ってい
る。

現在、軽構造接合加工研究委員会では、自動車、車両、航空機、電機などの分野で使
用される薄板構造物や小物部品(軽構造物)の接合・加工技術に視点を置いた生産シス
テムの最適化、接合部の品質保証システムなどの確立、継手構造のあり方や強度評
価、これに関連するコンピュータ利用技術などの情報交換と人的交流を行うととも
に、これらの技術の体系化と効果的な継承を図ることを主目的に活動を行っている。

2.委員会活動内容

活動は、年4回の本委員会開催、問題を絞って討論主体に行う研究討論会(抵抗溶接
研究委員会)、分科会、テーマ募集型で少人数のメンバーによるワーキンググループ
活動とその報告(軽構造接合加工研究委員会)、見学会、文献紹介やIIW出席報告な
どを中心に行っている。そのほか、技術講習会、講習テキストの編纂と頒布、シンポ
ジウム企画、委員会資料の複写サービスなどを行っている。
以下に、本研究委員会の開催記録の一覧を示す。

[抵抗溶接研究委員会(昭和48年-昭和62年)]

昭和51年(1976)
(研究委員会)
第12回  51.6.11(東京)   研究報告5件、講義1件
第13回  51.9.9,10(大阪) 研究報告5件、講義1件、
                見学会(松下電気産業(株)三国工場)
第14回  51.12.2(東京) 研究報4件、文献紹介2件
第15回  52.2.18(東京) 研究報告5件
(研究討論会)
第7回  51.6.10(東京)  研究討論4件
第8回  51.12.1(東京)  研究討論3件

昭和52年(1977)
(研究委員会)
第16回 52.6.9-10(東京) 研究報告5件、見学
第17回 52.9.21(大阪) 研究報告4件、文献紹介1件、見学
第18回 52.12.9(東京) 研究報告3件、解説1件、文献紹介2件
第19回 53.2.17(東京) 研究報告4件、文献紹介1件
(研究討論会)
第9回  52.9.22(大阪)  研究討論4件
第10回 52.12.8(東京)  研究討論4件
第11回53.2.16(東京)  研究討論2件、文献紹介1件

昭和53年(1978)
(研究委員会)
第20回53.6.8-9(東京) 研究報告5件、文献紹介1件
第21回53.9.20-21(大阪) 研究報告4件
第22回53.11.28-29(名古屋)研究報告8件、解説1件
第23回 54.2.20(東京) 研究報告5件
(研究討論会)
第12回  53.6.9(東京)  研究討論2件
第13回  53.9.21(大阪)  研究討論2件
第14回  53.11.29(名古屋)  研究討論2件
第15回  54.2.21(東京)  研究討論3件

昭和54年(1979)
(研究委員会)
第24回  54.6.13-14(岡崎、名古屋) 研究報告4件、見
学
第25回 54.9.4-5(大阪) 研究報告5件
第26回 54.12.5(東京) 研究報告3件、文献紹介1件
第27回 55.2.19(東京) 研究報告4件
(研究討論会)
第16回  54.6.14(名古屋)  研究討論1件
第17回  54.9.5(大阪)  研究討論1件
第18回  54.12.6(東京)  研究討論2件
第19回  55.2.20(東京)  研究討論2件

昭和55年(1980)
(研究委員会)
第28回  55.6.3-4(大阪) 研究報告5件
第29回  55.9.25-26(東京、栃木) 研究報告2件、文献紹介1件、WES企画案、見学
第30回  55.12.3(東京) 研究報告5件
第31回  56.2.19(東京) 研究報告4件、総合討論
(研究討論会)
第20回  55.6.4(大阪)  研究討論1件
第21回  55.9.25(東京)  研究討論1件
第22回  55.12.4(東京)  研究討論2件
第23回  56.2.20(東京)  研究討論4件

昭和56年(1981)
(研究委員会)
第32回  56.6.11-12(東京) 研究報告4件、特別講演1件
第33回  56.8.24(大阪) 研究報告5件
第34回  56.11.10-11(豊橋) 研究報告2件、見学
第35回  57.2.18(東京) 研究報告2件、特別講演1件、文献紹介1件
(研究討論会)
第24回  56.6.12(東京)  研究討論2件
第25回  56.8.25(大阪)  研究討論3件
第26回  56.11.10(豊橋)  研究討論1件
第27回  57.2.19(東京)  研究討論3件

昭和57年(1982)
(研究委員会)
第36回  57.5.27(東京) 研究報告5件
第37回  57.9.22(大阪) 研究報告4件
第38回  57.12.14-15(東京) 研究報告4件
第39回  58.2.24(東京) 研究報告5件
(研究討論会)
第28回  57.6.12(東京)  研究討論2件
第29回  57.8.25(大阪)  研究討論2件
第30回  58.2.19(東京)  研究討論2件

昭和58年(1983)
(研究委員会)
第40回  58.6.8-9(東京) 研究報告7件
第41回  58.8.22-23(大阪) 研究報告6件
第42回  58.11.9-10(名古屋) 研究報告4件、技術報告1件、見学
第43回  59.2.8(東京) IIW報告11件
(研究討論会)
第31回  58.6.9(東京)  研究討論2件
第32回  58.8.23(大阪)  研究討論1件
第33回  59.2.9(東京)  研究討論4件

昭和59年(1984)
(研究委員会)
第44回 59.6.13-14(東京) 研究報告5件
第45回 59.10.3-4(大阪) 研究報告5件、文献紹介2件
第46回 59.12.6-7(東京) 研究報告4件、WG報告3件、特別講演1件
第47回 60.2.21-22(東京) 研究報告5件、WG報告2件
(研究討論会)
第34回  59.6.14(東京) 研究討論1件
第35回 59.10.4(大阪) 研究討論2件
第36回 60.2.22(東京) 研究討論1件、技術報告1件

昭和60年(1985)
(研究委員会)
第48回 60.6.13-14(東京) 研究報告5件、総合報告1件
第49回 60.10.3-4(大阪) 研究報告5件、特別講演1件
第50回 60.12.4-5(東京) 研究報告4件、WG報告、特別講演、IIW文献紹介7件
第51回 61.2.12-13(東京) 研究報告5件、特別講演
(研究討論会)
第37回 60.6.14(東京) 研究討論1件、WG報告2件
第38回 60.10.4(大阪) WG報告2件
第39回 61.2.13(東京) WG報告3件

昭和61年(1986)
(研究委員会)
第52回  61.6.12(東京) 研究報告7件
第53回  61.9.11(東京) 研究報告5件
第54回  61.11.20(大阪) 研究報告5件
第55回  62.2.12(東京) 研究報告4件
(研究討論会)
第40回  61.6.13(東京)  フォーラム
第41回  61.11.21(大阪) 研究報告1件、分科会報告1件、フォーラム
第42回  62.2.13(東京) WG報告3件、特別講演1件

昭和62年(1987)
(研究委員会)
第56回  62.5.21(東京) 研究報告5件
第57回  62.9.3(大阪) 研究報告5件
第58回  62.11.27(東京) 研究報告3件、IIW文献紹介3件
第59回  63.2.4(東京) 研究報告5件
(研究討論会)
第43回  62.5.22(東京)  フォーラム、研究報告1件、分科会報告1件
第44回  62.9.4(大阪)  研究報告2件、見学
第45回  63.2.5(東京)  分科会報告4件、特別講演1件

軽構造接合加工究委員会(昭和63年-現在)
昭和63年(1988)
第1回  63.6.10(東京) 研究報告4件、特別講演1件
第2回  63.9.7(大阪) 研究報告3件、特別講演1件
第3回  63.11.24-25(東京) 研究報告6件、分科会報告4件
第4回  H1.2.9(東京) 研究報告4件、特別講演1件
平成元年(1989)
第5回  1.6.8(東京) 研究報告4件、分科会報告1件
第6回  1.8.25(大阪) 研究報告5件
第7回  1.11.8(東京) 研究報告6件
第8回  2.2.5(東京) 研究報告4件、討論会

平成2年(1990)
第9回  2.6.7(東京) 研究報告5件、特別講演1件
第10回  2.8.23(大阪) 研究報告4件、特別講演1件
第11回  2.11.8(東京) 研究報告5件
第12回  3.1.24(東京) 研究報告4件、総合討論会

平成3年(1991)
第13回  3.6.6(東京) 研究報告4件、入門講座1件
第14回  3.8.22(大阪) 研究報告3件、入門講座1件
第15回  3.11.7(東京) 研究報告4件、入門講座1件
第16回  4.1.23(東京) 研究報告2件、入門講座1件

平成4年(1992)
第17回  4.6.4(東京) 研究報告5件
第18回  4.8.20(大阪) 研究報告5件
第19回  4.11.5(東京) 研究報告6件
第20回  5.1.21(東京) 研究報告4件、見学会
第1回分科会 4.4.2(東京) 研究報告4件

平成5年(1993)
第21回  5.6.10(東京) 研究報告4件、見学会
第22回  5.8.26(大阪) 研究報告4件
第23回  5.11.4(東京) 研究報告5件
第24回  6.1.27(東京) 研究報告5件

平成6年(1994)
第25回  6.6.2(東京) 研究報告7件
第26回  6.8.25(大阪) 研究報告4件、特別講演1件
第27回  6.11.10(東京) 研究報告3件、見学会
第28回  7.1.26(東京) 研究報告7件

平成7年(1995)
第29回  7.6.8(東京) 研究報告4件、特別講演2件
第30回  7.9.7(つくば) 研究報告1件、特別講演1件、見学会
第31回  7.11.16(東京) 研究報告4件、見学会
第32回  8.1.25(東京) 研究報告6件

平成8年(1996)
第33回  8.6.6(東京) 研究報告5件
第34回  8.9.12(大阪) 研究報告5件
第35回  8.10.24(名古屋) 研究報告3件、見学会
第36回  9.1.23(東京) 研究報告5件
シンポジウム 8.7.10(東京) 軽構造接合加工技術シンポジウム --アルミ合金板とア
ルミ鋳物の接合技術--

平成9年(1997)
第37回  9.6.5(東京) 研究報告4件、特別講演1件
第38回  9.9.18(東京) 研究報告4件、特別講演1件
第39回  9.10.16(神戸) 研究報告3件、見学会
第40回  10.1.22(東京) 研究報告5件

平成10年(1998)
第41回  10.6.4(東京) 研究報告5件
第42回  10.9.24(大阪) 研究報告6件
第43回  10.11.12(新潟) 研究報告2件、見学会
第44回  11.1.21(東京) 研究報告6件

平成11年(1999)
第45回  11.6.3(東京) 研究報告7件
第46回  11.9.16(大阪) 研究報告6件
第47回  11.11.25(静岡) 研究報告4件、見学会
第48回  12.1.20(東京) 研究報告6件

図1に、この間の委員会主催会合への出席者数の推移を示す(昭和63年2月まで抵抗溶
接研究委員会、昭和63年6月より軽構造接合加工究委員会)。参加者数は、開催地や開
催テーマで変動があるが、概ね40名ないし50名の参加者で活動している。

3.人事、予算の推移

当研究委員会の歴代委員長・副委員長は、次の通りである。

昭和51-52年度 (抵抗溶接研究委員会)
 委員長 佐藤次彦,副委員長 中村孝, 橋本達哉

昭和53-54年度
 委員長 西口公之, 副委員長 中村孝, 橋本達哉

昭和55-56年度
 委員長 西口公之, 副委員長 中村孝, 浜崎正信

昭和57-58年度
 委員長 西口公之, 副委員長 田沼欣司, 仲田周次

昭和59-60年度
 委員長 仲田周次

昭和61-62年度
 委員長 仲田周次, 副委員長 大石橋宏次, 奥田滝夫, 門野洋二

昭和63-平成1年度(軽構造接合加工研究委員会)
 委員長 仲田周次, 副委員長 大石橋宏次, 奥田滝夫

平成2-3年度
 委員長 奥田滝夫, 副委員長 大石橋宏次

平成4-5年度
 委員長 大石橋宏次, 副委員長 松山欽一

平成6-7年度
 委員長 松山欽一, 副委員長 鈴村暁男, 近藤正恒

平成8-9年度
 委員長 松山欽一, 副委員長 鈴村暁男, 近藤正恒

平成10-11年度
 委員長 鈴村暁男, 副委員長 樺沢真事, 前川仁

平成12年度
 委員長 前川仁,  副委員長 高隆夫, 菅泰雄

この間、当研究委員会の予算規模は、図2のように推移している。近年の参加メン
バー会社は50社前後、予算約250万円で運営している。

4.技術分野の変遷と委員会運営

本研究委員会は、従来、抵抗スポット溶接、フラッシュ溶接、突合わせ抵抗溶接、
シーム溶接といった要素技術を中心に活動を進めてきたが、対象とする材料の変化、
生産技術の高度情報化、および自動車の軽量化や資源の有効利用など、時代の要請に
対応するため、前述のように昭和63年より委員会名称を現在の軽構造接合加工研究
委員会と改称した。上述の抵抗溶接関連技術は依然として当委員会の重要な要素技術
であるが、最近は、これに加えて、薄板・軽構造物を対象としたレーザ、アーク、摩
擦撹拌溶接(FSW)などの分野が加わっている。

また、これら要素技術を有機的に結びつけるため、品質モニタ・保証システム、
CAD/CAMあるいはロボットシステムを含む生産ラインのシステム化、従来技術の継承
など、生産を支えるコンピュータ技術も重要なテーマとして位置付けている。

当委員会では、メンバー相互の情報交換に寄与するため、平成8年6月より研究委員
会ホームページを他に先駆けて開設し、開催案内の早期連絡、議事録などの電子的保
存による有効利用に努めている。さらに、計測・制御技術に関する技術講習会の開催
や、平成11年度秋季全国大会におけるフォーラム「溶接構造物のエコロジカル生産シ
ステム」の企画・運営など、関連技術や近年の生産システムをとりまく環境の変化に
対応すべく活動している。今後とも、学会メンバーの声や社会的ニーズを積極的に採
り入れ、薄板・軽構造を中心とした技術情報の発信と継承に努めていきたい。

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