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M J S 第26回ソルダリング分科会
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 日時:平成10年10月30日 (金) 10:30〜17:00
 場所:自動車会館 (東京 市ヶ谷)

【主題 ソルダリング接合メタライズのはんだぬれおよび拡散挙動】

○ MJS-146-98    「ソルダリング接合メタライズの現状と問題点」
        (株)松下テクノリサーチ  金田 諭
 実装とは,「商品設計に基づき,限られた筐体の中に様々な機能部品を,コストと性能を含めた要求事項を満足するように組み込むこと」と理解する.1970年代の後半,ラジオやテープレコーダ等の民生機器にチップ部品が本格的に搭載されて以来,実装技術の進展には目覚ましいものがある.実装を支えてきた技術は,部品のチップ化・半導体パッケージのファインピッチ化・プリント基板のファインピッチ化・多層化および搭載機器の高性能化などであり,これら各分野の連携の上に成り立ち進展してきたものである.そして電子機器に対する「より小さく・より軽く・より薄く」のニーズは実装のテクノロジーの進化を加速させた典型的な例といえよう.「半導体は産業のコメ」といわれるが,「実装は利益の源泉」である.いよいよ目前になった鉛フリー化と並行して,実装技術はとどまることなく進化していくものと思われる.その中にあって,はんだ接合部の信頼性確保は重要なテーマである.接合の因子は,部品品質,はんだ付け時の熱履歴,筐体組み込み時や実用時のストレスなど,各々が関連しあっている.従って,技術の枠にとどまることなく,各部門が連携しあって信頼性を高める努力が必要と思われることが報告された.


 
○ MJS-147-98    「電析無光沢Ni膜はんだ特性」
        長野県精密工業試験場 新井 進
 実装部品のめっきは,はんだぬれや接合信頼性に大きく影響するため,今日のマイクロソルダリング技術において重要な技術の一つとして位置付けられる.めっきのはんだ付性は膜中の不純物等により大きく影響されると言われている.電析Niめっきを対象とし,電析条件(電析条件による膜の構造や水素吸蔵量の変化)がはんだ付性に及ぼす影響についてメニスコグラフ法により検討した.特に電解中に発生する水素の影響を明確にするため光沢剤等の有機物を用いない無光沢ワット浴を用い,電析中,積極的に水素が発生するような高電流密度(限界電流密度以上の電流密度)で形成したNi膜について検討した.その結果、表面形態は電流密度により変化し限界電流密度以下の領域では凹凸の激しい形態であったが,限界電流密度付近で比較的平滑となり,それ以上の電流密度領域では再び凹凸が増大した.膜の結晶配向面については限界電流密度以下の領域では{100}面の優先配向であったが,限界電流密度以上の領域では非常に強い{110}面の優先配向に変化した.膜のはんだ付性は電流密度の増大に伴い向上した.このはんだ付性の向上は,はんだ付の際膜中から放出される水素による酸化膜の除去作用と主に関係していることが推察された.電流密度が限界電流密度になるとNiの析出反応と水素の発生反応が同時に起こり,水素発生の効果により析出粒子が微細になり膜の表面形態は平滑化する.また,水素の発生により優先配向は{100}面から{110}面へと大きく変化する.この際電析したNi膜中に水素が取り込まれる.はんだ付の際,この取り込まれた水素が熱により放出されNi膜表面の酸化膜を除去する結果,はんだ付性が向上したものと考えられるという報告がなされた.


 
○ MJS-148-98    「電極表面処理と半田付け性について」
        古川電気工業(株) 日笠 和人,中村 良則
 近年,BGA,CSP型パッケージの半田接合において,塗れ不良や部品剥離破壊などの故障が多発している.このときのパッド表面処理としては無電解Ni+Auメッキであることが多く,本メッキは基板用の表面処理法として有利な特徴を種々備えた優れた方法であるが,メッキ状態によっては半田付け時に不具合を発生させることもある.最近の接合点微細化の傾向に伴って,この実装不良の問題が改めてクローズアップされており,CSP実装,あるいはFC接合を対象にNi/Auメッキへのソルダリングのメカニズムに関する検討を行っている.微細接点同士を半田接合する実装法には,従来の実装方式がそのまま適用できない新しい技術的課題が存在している.特に無電解Ni/Auメッキ処理パッドにおいては,Niの2層構造結晶の発生による半田濡れ性の低下,半田接合界面でのP濃度の高いNi/P層の生成による接合強度低下は深刻な問題である.いずれも,Niメッキの問題であると言えるが,実装側にて何らかの対策を立てる必要もある.そこで,スーパーソルダーを用いた半田プリコート法は,Niの2層構造結晶に対する濡れ性の問題や,P濃度の高いNi/P層の生成による接合強度低下の問題を解決できる,目下のところ最も手頃な解決策を提供してくれる対応策であるという報告がなされた.



○ MJS-149-98    「Pbフリーソルダと各種めっきとの接合界面の観察」
        (株)村田製作所 鎌田 信夫,宇都宮 勇,真田 英毅
 電子機器のPbレスの動きの中で,従来のPb-SnソルダからPbフリーソルダ(LFソルダ)への代替が検討され,一部採用の例も見られる.LFソルダの多くはSnにAg,Cu,BiまたはIn等を1種類あるいは複数添加した組成で構成される.今回はLFソルダペーストの添加元素の挙動に注目し,ソルダと電極との接合界面を分析した結果,鉛フリーソルダと各種めっき電極との接合界面を観察し,ソルダ中のInはソルダ中へのAu電極の拡散を抑制する.Niめっき電極(Ni+Auめっき電極も同様)に対し,ソルダ中のCuは,リフロー直後にNi付近に集中し,高温負荷後(150℃-500時間)には,Ni電極界面にてカーケンダルボイドによるものと思われるクラックが発生する.ソルダ中のBiは焼成Cu電極に拡散しにくいため,Bi-rich層とBi-poor層との境界層が形成されることが報告された.



○ MJS-150-98    「TCP微細接合技術」
        (株)日立製作所 三浦 一真,芹沢 弘二
 パッケージにおける多ピン・狭ピッチ微細接合技術として,部材にめっきを施し,ボンディングツールを用いて加圧・加熱する接合技術が注目されている.そこで,多ピンパッケージに適用可能な方法として,まずAu-Sn系では高Au側組成のAu-29at.%Snで280℃,高Sn側組成のAu-93.7at.%Snで217℃の共晶点を有することに着目し,Auめっき,およびSnめっきが施された部材をボンディングツールを用いて加熱,加圧するAu-Sn共晶接合技術,およびAu-Sn共晶接合に比べて多ピン・狭ピッチ化が期待できてるAu-Ag接合技術に注目した.Au-Sn,Au-Ag接合それぞれについて,TCP(Tape Carrier Package)微細リードモデルリードフレームを用いて,接合強度に及ぼす接合条件の影響,接合条件と強度の相関を接合部に形成される組織の面から考察した結果、Au-Sn共晶接合,Au-Ag接合のいずれの場合も接合強度は温度,圧力といった接合条件に依存することが明らかになった.また,Au-Sn接合では,接合界面に形成される接合層の厚さ,特にAu-Snの金属間化合物層に影響されることを明確にした.一方,Au-Ag接合についてはAu,Agがnmオーダの微笑な領域で拡散し,合金化することにより接合しているものと推定される.なお,接合強度の低いものについては界面に未接合部と思われるボイドが多数認められる.Au-Sn共晶接合とAu-Ag接合を比較すると,最高強度はAu-Ag接合がAu-Sn接合を大きく上回っている.しかしながら,接合強度の温度,圧力依存性についてはAu-Ag接合のほうが大きい.したがって,Au-Ag接合を多ピンパッケージに適用する場合には,プロセス条件のばらつきをおさえる必要があることが報告された.



○ MJS-151-98    「ニッケルとはんだとの界面反応」
        (株)日立製作所 大貫 仁
 パワートランジスタ,IGBT(Insulated Bipolar Transistor)モジュール等のパワー半導体素子のチップとリードフレーム及び支持基板,絶縁基板と放熱基板ならびにMCC(Multi Chip Carrier)の支持基板との接合ははんだ付により行われている.そのメタライゼーションとしては低コスト,比較的優れた耐食性等の点で,Niめっき膜が多く用いられている場合が多い.通常,Niめっき膜は電解および無電解めっきにより形成される.電解めっきの場合,一般的にPが含まれている.しかし,Pを含む場合も,含まない場合もNiめっき/はんだ界面には多くのボイド(ぬれ不良),あるいははんだの種類によっては脆弱な化合物が生成しやすく,工場等で,問題を起こす場合が多い.本報告では界面に生成するボイドと接合部の信頼性との関係,ならびにボイドとNiめっき膜表面の酸化膜との関係について検討し,Niめっき膜とはんだとの接合ではめっき膜上の酸化膜をできるだけ少なくすることがキーポイントであるが,酸化膜の厚さはメーカのめっき後のプロセスに依存していると考えられるので,安定なはんだ付のためには酸化膜除去及び酸化防止プロセスの開発が必要であるという報告がされた.
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