第62回研究委員会 平成15年1月17日
IJ-18-02
「液相拡散接合のベイジアンエキスパートシステムの構築とNi基一方向凝固超合金の接合への適用」
       大阪大学大学院工学研究科  西本 和俊,才田 一幸
同(現 石川島播磨重工業梶j  坂元 理絵

 本研究では,液相拡散接合プロセスの最適化手法の確立を目的とし,RBFニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムを用いた満足化トレードオフ法による多目的最適化手法を駆使した液相拡散接合のエキスパートシステムにベイズ推定を組み合わせた新たな先進的エキスパートシステム(ベイジアンエキスパ ートシステム)を構築した.さらに,Ni基一方向凝固超合金IN738LCに対して,本エキスパートシステムを適用し,システムの有効性について検討を加えた.
IJ-19-02
「半導体レーザによるクラッディングに関する基礎的研究」
  大阪大学接合科学研究所  阿部 信行,塚本 雅裕
近畿大学大学院総合理工学研究科  吉田 浩史
近畿大学理工学部  森本 純司          
 大阪府立産業技術総合研究所  野口 修一   

 電気から光へのエネルギー変換効率が非常に高く、発振器や電源、冷却装置等がコンパクトになり、他のレーザ装置に比べてランニングコストが安価であるなどの利点がある半導体レーザ装置によるクラッディングの成膜プロセスについて検討した。皮膜材料は、Ni基自溶合金粉末であり、基板には一般構造用圧延鋼板(SS 400)を用いた。
研究結果を要約すると下記の通りである。
1)    半導体レーザ出力、400Wにおいてクラッディング速度、0.3m/min〜1.5m/minの条件で、250〜1250μm厚さのNi基自溶合金皮膜が作製できた。
2)    Ni基自溶合金皮膜と基板の界面部は、約3μmの合金層が観察された。また、その皮膜のビッカース硬さは、HV805を示した。
IJ-20-02
「第61回界面接合研究委員会議事録」
IJ-21-02
「平成14年度界面接合研究委員会推定決算書および平成15年度界面接合研究委員会事業計画(案)並びに収支予算(案)」
IJ-22-02
「界面活性凝着接合法による鉄鋼とアルミニウム合金の接合」
新潟大学  渡辺 健彦,高山 博史,柳沢 敦

 省エネルギーや環境保全等を視野に車輌の軽量化が進められている。そのため,鉄鋼とアルミニウム合金の溶接・接合技術の開発は重要な課題であり,いろいろと研究されている。しかし,従来の手法で溶融溶接を施すと,溶融部には固くてもろい金属間化合物が形成されることから健全な継手は得られていない。本研究では,鉄鋼とアルミニウム合金を固相状態で接合することを目的に,回転ピンを用いた「界面活性化凝着接合」という新しい手法でその接合を試みた。回転ピン径,ピン回転速度やピン押し込み量と接合部の組織や継手強さとの関係を調べ,最適接合条件においてはアルミニウム合金母材強さの約86%にも達する継手が得られる事を示した。
IJ-23-02
「TBCシステム界面のナノキャラクタリゼーションと制御」
                    東京都立大学大学院工学研究科  高橋 智,吉葉 正行
トーカロ   原田 良夫
 高性能プラズマ溶射TBCシステム設計のための最適プロセシングの構築に向け,一連のプロセシングの中で後熱処理条件等をパラメータとして作製した,TBCシステムのトップコート/ボンドコート界面を中心に,TEM法等を援用したナノキャラクタリゼーションを実施し,界面性状に及ぼす各種パラメータの影響を検討した.さらに後熱処理過程で界面に形成される酸化物層厚さを合理的方法により計測し,各種TBCシステムにおける酸化物生長挙動の定量的評価を試みた.
IJ-24-02
「電磁加速プラズマ溶射法によるBCN系セラミックス皮膜の形成」
       (財)ファインセラミックスセンター  北村 順也
               産業技術総合研究所  薄葉 州,角舘 洋三,横井 裕之,
山本 和弘,田中 章浩,藤原 修三

 従来溶射法より高速(数km/s)で、かつ高温な粒子ジェットの形成能力を有する、パルス大電流アークプラズマを用いる電磁加速プラズマ溶射法を開発した。ダイヤモンドとcBNに次ぐ硬度を有し、難溶射材料である炭化ホウ素(B4C)の皮膜形成を行った結果、得られた皮膜は、緻密で基材との密着性も良い、原料の結晶性が保たれた均一な硬質膜であった。またcBN皮膜の形成も試みたが、立方晶から軟らかい六方晶に大半が相転移したため、皮膜の強度は低かった。
IJ-25-02
「プラズマ溶射法によるAl2O3 / YAG複合皮膜の形成」
(独)産業技術総合研究所  鈴木 雅人,袖岡  賢,井上 貴博

 サブミクロンサイズのAl2O3,Y2O3による複合造粒粉をプラズマ溶射することにより、Al2O3-Y2O3アモルファスコーティングが形成された。熱処理により α-Al2O3及びYAG相が析出し、Al2O3/YAGコンポジットコーティングが得られた。熱処理条件を選ぶことでAl2O3,YAGの粒径を広い範囲で制御することが可能であり、ナノコンポジットコーティングの形成も容易であることが明らかになった。硬度も高く、優れた耐摩耗特性が期待される。また、本手法を他の材料系に適用することで、TBC界面での応力制御等への展開が可能となると期待されている。
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